There's an echo in my head

日々のメモ。

竜とそばかすの姫

見た。

ryu-to-sobakasu-no-hime.jp

美術がとても綺麗だった。 また、主人公のすずが学校の帰り道に川縁でゆっくりと歌うときの深い歌声には特に心惹かれた。何度でも聴き返したいぐらい。

でも中盤〜終盤あたりから見るのが面倒になってしまった。色々な話が出てきたけど、出てきただけで大して重要な話に思えず、疲れてしまった。

加えて最後、すずが東京まで出てやっとのことで恵たちを見つけたのに、その後それ以上の関わりを持っていくことを匂わせるような描写が一切無く、スッと地元に帰ってきて友達や大人と笑ってるのを見て、 あれ、何もせずに帰ってきた?なんでこの人たち楽しそうに笑ってるんだ? 家庭内暴力に遭っている子供に「僕も闘う」と言わせて、それで終わってはダメでは?と言う疑問がグルグルと残った。

もしかしたら家庭内暴力をどう解決していくかというのは物語上不要な話で(実際難しく時間のかかる問題なのだと思う)、彼女がネット上で正体を表してそれでも歌うという筋道を作るために必要な仕掛けだったのかもしれないけど、とかいろいろ内情を想像しまうけど、でもなんかな。それでいいのかな。流石にそんな扱いではないよなあ。

もしかしたらどうすべきかをあえて明示せず視聴者に考えさせることを狙ったのかも?いや仮にそうだとしても、子供を虐待に立ち向かわせてヨシとするのはダメだよなあ。 それに物語としても「助けると口では言うけど実際には何もしてくれない人たち」と同じに見えてしまっているし。 (万が一にでもないと思うけど、すずの眼力に怯んで父親は腰を抜かして去っていったけど、あれで解決じゃないよね?)

無限に燻ることができる。

という感じで、細かく惹かれるポイントはあったんだけど、それ以外にもあるいくつかの事柄を含めると最終的には釈然としない、その外面の良さとは別の部分で(だからこそ?)「良い」と思うことができない作品だった。

別作品だけど、ルックバックで色々な議論が沸き起こっているのももしかしたらこう言うことなのかもしれない。

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